おめめどうの支援実践を大学で講演|強度行動障害の子どもと親の体験から
もくじ

今年で6回目となる、帝京大学でのゲストスピーカー(ゲスト講師)のお仕事に行ってきました。
3月に金森先生からお話をいただき、まーくんに「えらぶメモ」で日程を選んでもらって、この日を楽しみに迎えました。
今年もプレゼンを大幅にリニューアルし、元気にお話しました!
はじめてお声がけいただいた頃を思い出して

金森先生から初めてお声がけいただいたのは、2020年、まーくんが特別支援学校を卒業した年でした。
あの頃は学生さんたちより年下だったまーくんも、今では学生さんより年上になりました。
「もうそんなに月日がたったんだなあ」と、二人で通っていた頃のことを思い出します。
昨年から佐賀県に移住したので、今年は家族3人で来ました。
毎年続けてきた「みとおし」の準備

毎年、おめめどうの「いつどこメモ」や「えらぶメモ」「みとおしメモ」を使って、その日の情報やスケジュール、その後に何があるのかを伝えてきました。
今回、一番最初のゲストスピーカーの時のコミュメモが出てきたので見返してみると、「しんどくなったら教室から外へ出ていてもいいよ」という記載がありました。
それを見て、初回から頑張って教室の中にいられていたことに、当時とても驚いたことを思い出しました。
その後6年間、まーくんは毎年「帝京大学八王子キャンパスの!お給料お振込み!」を楽しみにしながら、ゲストスピーカーのお仕事を続けてきました。
まーくんは、24歳です。
脳性麻痺、自閉スペクトラム症、知的障害があります。
でも、私が最初に知ってほしいのは診断名ではありません。
鉄道が好きで、iPadやLINEを使いこなし、自分なりの方法で毎日を楽しんでいる、皆さんと同じ、ひとりの青年だということです。
今回の授業でお話ししたこと

この日の授業は、「肢体不自由児の心理・生理・病理」でした。
2001年12月に3ヶ月早く生まれたまーくんの生い立ち、これまで受けてきた療育、実際に使ってきたグッズの紹介、まーくんの好きなこと、そして我が家の、まーくんの生活に欠かせないおめめどうのことを中心にお話しさせていただきました。
最初に「本日のみとおし」を提示しました


最初に提示したのは、「本日のみとおしスケジュール」です。
やっぱり、みとおしは大事です。
まーくんにとって、とても大きかったのが、「みとおしが持てること」でした。
今何をするのか、次に何があるのか、終わったらどうなるのか。
そういうことがわかると、不安が減って、落ち着いて行動できることが増えていきました。
そこで役に立ったのが、“おめめどう”のグッズのような、予定や流れを見える形にする工夫でした。これは障害のある子だけではなく、皆に必要なことだと思っています。皆さんも、「今この授業は12時15分になればおわる」がわかるから、多少お腹がすいていても、ここで落ち着いて授業を受けていられる。
それがなかったらどうでしょうか?
いつになったらお昼ごはんにたどり着けるのか?心配ですよね、不安ですよね、お腹がなりますよね。子どもも同じで、見通しが持てることは、安心につながり、安心は学びにつながります。先生がその視点を持って教室を整えるだけで、おちついて過ごせるようになる子がたくさんいると思います。
今年は30名の学生さんにお話を聞いていただきました。
まーくんが生まれる前からブログに書き綴ってきたので、エピソードを探し出すこと自体は難しくありませんでした。
でも、その中からどれを盛り込むかはとても悩みました。
何か学生さんの心に残るかな。
何か一つでも持ち帰ってもらえるものがあるといいな。
そんなことを思いながら、プレゼンを作り、お話ししました。
おめめどうの支援の考え方もお伝えしました

我が家にとって切っても切り離せない、おめめどうの支援の考え方。
これは、自閉スペクトラム症や発達障害だけでなく、ダウン症のお子さん、不登校のお子さんを持つ親御さん、さらに認知症のある方にもおすすめできるものだと思っています。
もちろん、私たちにとってもとてもわかりやすく、支援する側にとっても書きやすく使いやすいグッズがたくさんあります。
今回は、その書き方の事例も盛り込みました。

「肢体不自由児」とひとことで言っても

「肢体不自由児」といっても、その姿は本当にさまざまです。
日常生活を自立して送ることができるお子さんもいれば、重度重複の障害があり寝たきりの状態だったり、意思の疎通が難しいお子さんもおられます。
この日お話ししたのは、あくまで「知的障害があり、発達に凸凹があり、自立歩行はできないけれど伝い歩きができる、脳性まひで自閉スペクトラム症のまーくんの場合」です。
学生の皆さん、ありがとうございました

この日、この教室で私の話を聞いてくださった学生の皆さん、ありがとうございました。
秋のマジカルトイボックスのイベントで、もしかしたらまたお会いできる方もおられるかもしれません。
たくさんの学びと経験を重ねて、未来へ羽ばたいていってほしいと願っています。
ひとまず一区切り。でもまたお声がけいただけたら

帝京大学でのゲストスピーカー(ゲスト講師)のお仕事は、ひとまず今回で一区切りです。

でも、またお声がけいただけましたら、家族で喜んで馳せ参じます。
「困った行動」の奥にある不安や伝わりにくさ、そして支援の工夫について、親としての経験をもとにお話ししています。特別支援学校、通常学校、福祉施設、病院での研修や講演にも対応しています。保護者支援や職員研修としてご関心のある方は、[お問い合わせフォーム]からお気軽にご相談ください。
全ての写真撮影;かさこさん

(授業中の撮影許可はいただいております)

